ひもトレ(マスク編)

前回の記事でひもトレについて書いているときに一つふと感じたことがあり、短い文章ではありますがまとめてみました。
当院では約一週間ぐらい前から、症状の差は多様ではありますが
「ぎっくり腰・寝違え・むせるような咳・頭痛・目の疲労感・便秘」
などを感じる人が増えてきています。
天気・気圧・季節の変化による身体の不調ではないか
在宅でパソコンの使用量が増えたからではないか
外出が出来ず運動量が減ったからではないか
と考察されている方もおりますがその他に何か身体に変化が無かったのか、見つめなおしてみました。
天候や季節の問題
こちらデータを見てもらうと4月13日辺りに天気が少し崩れ気圧が下がっていますがそれ以外はほぼ安定しており、天気が崩れた時期からの症状が出ているわけでは無いので一概に天気の影響とは言えません。
(天候が体に与える影響については今記事を作成中の為、また後日投稿します)
パソコンの使用量の問題
普段からデスクワークの方は在宅に切り替わりパソコンの使っている時間にあまり差はないことがあり、むしろ疲労感を感じれば少し態勢を変えることも可能でいつもより負荷が少なくなっているのではないでしょうか。
今のところ来て下さっている患者さんの話を聞いているといつもよりむしろ触る時間が少なくなっているとの声も聞きます。
なかには触る時間が長くなっている方もおられると思いますが、ひもトレをやってみてください。体に変化が現れ楽になると思います。
運動量の問題
緊急事態宣言から約一ヶ月、公共の運動施設はほとんど自粛休業、自宅待機もあり運動量の軽減は避けることが出来ません。
しかし筋肉量が減るのは運動で作られていた筋肉だけです、日頃から姿勢を維持したり、日常的に使う筋肉まで落ちることはありません。
その為運動量の減少に伴う筋肉の問題は関与している可能性は低いと言えます。
では、今あげられた条件以外で変化があったことと言えば
皆さんが予防でつけている「マスク」はどうでしょうか?
マスクと言っても鼻・口をふさいでいる部分ではなく、耳にかけるための
部分です。
ひもトレの時も適していない種類にゴム紐をあげていましたが、ここ数か月で身体の原因がはっきりわからないような不調はもしかするとこのマスクのヒモの部分が身体に影響を及ぼしている可能性があります。
そんなことで身体が変化するのかと疑問に思うでしょう、ですが変わります。
このゴム紐一つで身体のバランスは全体的に変化します。
マスクの紐
実はマスクをつけた時の息苦しさは鼻と口を塞がれているからではなく耳にかけるゴムによる身体の緊張で起きている身体の変化かもしれません。
ではマスクのゴムの部分が身体にどのような変化をもたらしているか試してみましょう。
人により変化の現れる動きは異なりますが、「首の回旋」、「深呼吸」、「肩の動作」を行ってみましょう。
1、まずはマスクの無い状態で首を左右に回してみましょう、この時首の回る範囲や首周りの張り感などを何となく覚えていてください。
ではマスクを付けて回してみましょう、付けていない時に比べてどうでしょうか?
2、次に腕を動かしたり、肩を動かしてみましょう。腕を前から挙げた時の腕の重さや動きの滑らかさ、どこまで挙げて行った時に肩につまり感が現れるかを見てみましょう。
何度か動かした後にマスクを付けて動かしてみましょう。
何か変化はありましたか?
3、最後に深呼吸をみてみましょう。
まずはマスクを付けていただいて、布は口と鼻を塞いでいる状態で両耳に掛かっているゴムの部分だけ外し手で保持したまま深呼吸してみましょう。
その後両耳に普段通りゴムを掛けて深呼吸してみましょう。
どうでしょうか息苦しさ、呼吸の深さに変化はありましたか?
他にも気になる動作があれば比べてみて下さい。
変化が出ない場合も有りますがマスクをしている時の方が全体的に動きがぎこちなく感じたり窮屈に感じたり、身体の強張り、呼吸が浅くなるなど身体に備わっている本来の機能が制限される事があります。
なぜこのような現象が身体に起きるのか、理由はゴムの性質にあります。
ゴムの性質
ゴムは当然伸びた分、縮む力が作用する事で「身体に物質を固定」することが目的です。その為、下着やズボンなど衣類にもよく使われている製品になります。
マスクの場合、布を顔を覆うように密着させることが目的ですがその分ゴムのかかっている耳も布側に引っ張られる力が発生することになります。
そうすると極端な話になりますが、マスクに身体が引っ張られると重心が前に傾く事になります。このバランスを身体は自動で整えようと働きます。
・後頭部の筋肉の緊張(目の疲労、鼻詰まり)
・首の緊張(肩こり、めまい)
・背中の緊張(呼吸が浅くなる、咳き込む)
・腰の筋肉(腰痛)
など上半身では背中側の筋肉を緊張させる事で座る姿勢を維持しようとします。
背中の筋肉の緊張が優位になると腹筋に力が入りにくくなることもあり、
便秘などの内臓機能の低下を招くこともあります。
そして前回の記事でも軽くお話ししましたが、マスクだけでなくゴム紐全般に言えるのが身体を締め付けてしまう作用があります。
人は外部からの情報を触覚、聴覚、視覚、嗅覚、味覚の外部感覚受容器で得ることが出来るのですが、そのうちの触覚のセンサーのバランスが崩れることがあります。
身体を締め付けているとその部分に刺激が入り続けることが当たり前になるり、その部分の感覚の精度が悪くなります。
感覚のセンサーの精度が落ちると脳はその部分の情報が正確で無いことから正常な判断が出来ず、誤指令を送ってしまいます。
マスクであれば最初に挙げた現象、お腹周りで有れば内臓機能低下、便秘、下肢の浮腫など。
お腹や下半身周辺に何か身体の不具合がある方は、ジャージのゴムをやめたり、下着を極力締めつけないものに変えるだけで機能が正常化し変化が起きる可能性もあります。
ゴムの利便性からあまり注目されることのない身体に及ぼす影響についてもう一度、体験・思考を繰り返して見てください。
マスク製作
その場の思いつきでマスクのゴムを切り取り百均の裁縫コーナにあるひもを簡易的に付けて、マスクを付けると息苦しさはなく、首、肩の動きやダルさの改善が見られました。
少し手間は掛かりますが、普段マスクを付けて長時間作業、仕事をしている方はひもを使用してみるのも身体の機能改善に繋がるので試してみてください。
今後も身近な物で影響を与えている物がないか発見が有れば掲載したいと思います!