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殿筋による体の安定性

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歩行」、人間だけでなく動物が生きていくために日常的に行っている行動。歩行の方法は様々、四足歩行・這うような動き・跳ねる、そして我々のような二足歩行。

シンプルな移動手段である歩行を行う際、体の安定性担うお尻の筋肉「殿筋(でんきん)

その殿筋の中でもあまり注目されていなかった

「小殿筋」

に焦点を当ててお話していきたいと思います。

お尻の筋肉は大きく分けると

「大殿筋」・「中殿筋」・「小殿筋」

が存在します。

殿筋はスポーツ選手だけでなく一般の方にも身近になり、テレビでヒップラインを引き上げる為のトレーニングの紹介などで女性でご存じの方もいらっしゃるかと思います。

殿筋は見た目の変化だけでなく、全身の無駄な力みを取り除く立位(立っている状態)で重力がかかっている時の安定性しなやかで綺麗な動作の獲得など日常生活・スポーツをするうえで理想的な動きを再現する大きなポイントとなる部分です。

理想的な動きというのは人それぞれスポーツなのか仕事なのか家事なのか環境によって異なりますが

自分自身の持つ体の構造で、効率よくそして力を最大限に発揮できる状態を追求することが一つ理想的な動きと言えるのではないでしょうか。

では今回のテーマ「小殿筋」の構造や二足歩行の我々にとってどのような影響を及ぼしているのかお話していきたいと思います。

小殿筋の筋構造

筋肉の役割は主にどのように走行し、付着している箇所で決まってきます。

そのため小殿筋の筋構造を知ることから始めます。

小殿筋の位置関係は大殿筋・中殿筋より更に深層部に位置します。

大殿筋・中殿筋に覆われた小殿筋は体表から我々が触ることが不可能な筋肉となります。

大殿筋

中殿筋

小殿筋

大殿筋をめくればその深層部に中殿筋、中殿筋をめくればその深層部に小殿筋が存在します。

小殿筋の筋繊維は放射状筋と呼ばれており、中殿筋、大殿筋なども含み繊維が放射状に広がっている形状をしています。

筋肉の付着部

筋肉は基本的に(顔の表情筋を除く)関節をまたぎ骨から骨へと付着することで、筋肉本体が伸び縮みした際関節を可動させる作用が主な役割となります。

そして筋肉が付着する部分を「起始」、「停止」という表現を使います。

上腕二頭筋

なぜわざわざ付着に名前が付けられているのか、それは筋肉に力が入り縮む時の過程に特徴があるからです。

筋肉に力が入り、関節が動く際、付着部の両端が同時に縮む力が発生するわけではありません。

原則「起始部」「停止部」が近づく形で関節に運動が発生します。

ケガの一つで筋肉の繊維が絶たれる「肉離れ」がありますが、肉離れは筋肉の収縮時、起始・停止の両方に縮む力が筋繊維が耐えれる強度を超え発生した時に好発すると言われています。

この起始・停止の原理さえ把握することが出来れば各筋肉のがどこの関節にどのように作用するかがわかりやすくなります。

小殿筋の付着部

 

・起始

腸骨翼の外側部(腸骨の殿筋面)

・停止

大腿骨の大転子外側から大転子前面にかけて

股関節の関節包

起始・停止に基づくと小殿筋の場合、筋肉に力が入り縮んだ時に停止部である大腿骨(太ももの骨)が起始部の腸骨に対して動作が発生し、股関節に影響を与えることとなる。

ここでもう一つ重要になるのは停止部、「股関節の関節包」という部分である。

関節包:関節を覆う膜のことであり関節包の内側から関節液という分泌液を生成している。その液は関節内に

充満し関節の運動をスムーズにしてくれる油のような役割をしてくれている。

関節包は関節を覆う膜、つまり受け皿である骨盤側の臼蓋と骨頭がある大腿骨とをつなぎ股関節の安定にも関わる組織の一つです。

一般的な関節の構造

その関節包に付着する小殿筋の働きは結果として関節包の強度を高め股関節の安定にも繋がります。

小殿筋の収縮時の働き

小殿筋の付着部、起始・停止を基にまず重力や姿勢を省き筋肉の働きだけを考えていきたいと思います。

起始は腸骨、停止は大腿骨となるので腸骨を起点に大腿骨が動くことになります。

そして筋肉の走行を立体的に見ていきます

小殿筋は

・後ろから見ると大腿骨に対して平行に近い走行」、

・外側から見ると「起始部が広く後方の繊維は後ろから大腿骨の前へ、前方部は腸骨の側部から真下の大腿骨へ」、

・前から見ると腸骨より大腿骨の方が外側に位置するので走行も内側から外側」に付着していきます。

後ろから

横から

前から

ここまで付着部に関して理解が出来ればあとは筋肉が収縮した時に停止側の大腿骨がどのように動くかが分かります。

・後ろから見た場合の収縮「腸骨から大腿骨に平行に近い状態で付着しているため筋肉が収縮すると大腿骨の骨頭が、受け皿である骨盤側の臼蓋に引き付けられる作用が現れる」

・外側から見た場合の収縮「後方から前方に付着する繊維は収縮すると大腿骨が時計周りに回転する外旋という動きに、前方部からそのまま真下に付着する繊維は大腿骨が反時計回りに回転する内旋という動きが発生します」

・前から見た場合の収縮「内側から外側にかけて付着する為収縮すると大腿骨(太もも)が外に広がる外転という動きが発生します」

内旋

外旋

外転

付着部と作用に関して分かりやすく見る方向別に説明しましたが、本来はこれらの作用が歩くとき、走る時、跳んでいる時、水中にいる時、状況に応じて適切な作用が発揮できる仕組みになっています。

動作中における小殿筋の筋活動

小殿筋の収縮時における股関節への影響が分かったところで実際にどのような身体の動きの際にその力を発揮するのか。

我々がトレーニングで身体を鍛えるのは競技中においてのパフォーマンスの向上・日常生活においての健康、活動能力の向上など目的は様々ですが最終的に

「鍛えた筋肉やその筋肉を活動させるための命令伝達の正確性の向上を計り、その結果最大限の力を発揮すること」

が生活環境問わず必要とされ最大の目的となります。

筋肉が肥大したり、筋肉量が増えるだけでは必要な時に活動してくれるとは限りません、鍛えた筋肉が正確に活動できるようになるには

実際に普段どのような状況で活動しているのかを知ることも必要になります。

動作中における小殿筋の筋活動についてお話させて頂きます。

そもそも小殿筋が今まで参考書・ネット・メディアを含め取り上げらることがほとんど無かった理由として小殿筋に関してのデータが少なかったという点があります。

今までは筋肉の安静状態での判別は可能でしたが筋活動中の判別が難しく、特に深部の筋肉に関しての明確な情報を得ることが困難でした。

しかし近年では、細く柔軟性のあるワイヤー電極を注射針にて対象となる筋肉に刺入することで実際に運動中の筋活動を研究することが可能となり

2019年には慶應義塾大学がMRIを用いた骨格筋細胞のマイクロ構造を可視化する技術を開発したと発表。

運動器の機能、疲労、トレーニング後の筋肉緊張などの評価が可能になりより深部、そして鮮明な筋肉の活動が分かるようになりました。

ではここから実際に行われた研究をもとに小臀筋の筋活動についてお話しします。

特定条件での片足立脚時の働き

条件とは

・平地

・バランスパッド

・半球のバランスボール

この条件下で支持脚にて5秒間保持、下肢疾患や腰部疾患があるのは除いた人での研究となります。

開始1秒、終了1秒の計2秒を除いた片脚立脚保持中の計測。

片脚立脚において今までは主に中殿筋が主に緊張することで安定性を保持していると言われていました。

例えばその場で片足立ちをした時に、支持側の足の膝が左右にブレて不安定になってしまう現象が起こるとします。

こういった支持側の身体の不安定性は中臀筋の筋力不足だと言われていました。

しかしこの研究により小臀筋が中臀筋と同様、もしくは状況によっては小臀筋が優位に働くことが判明していきます。

男女数名での研究結果の平均値のデータでは

・全体

平地<バランスクッション<半球バランスボード

・男性

半球バランスボード<平地<バランスクッション

平地では中臀筋より小臀筋の方が優位に

・女性

平地<バランスクッション<半球バランスボール

半球バランスボードでは中臀筋より小臀筋の方が優位に

片脚立位5分後にMRIで調査したところ中臀筋より小臀筋の方が筋活動量が高かったとの報告もあります。

全体としても小臀筋の活動は不安定性が高まるほど筋活動量の増加が見られます。

男女差を見ると女性では男性に比べると不安定性が高くなるほどより小臀筋の筋活動が顕著に現れました。

これは骨盤の形状の差だと言われています。

女性の方が骨盤が広く、関節窩は浅く関節部自体が不安定性があり可動域は広い。

更に骨頭中心から人間の重心軸までが男性に比べると距離が長くなるためより骨頭を視点とした外転筋の働きによる安定性維持の力が強くなると考えられる。

歩行時においての小臀筋の筋活動

当然、研究前までは片脚立位で中臀筋の筋活動が主に働いていることで安定性を確保されていると考えられていたので歩行時の片脚立位時も中臀筋に頼っていると思われていました。

では実際にはどのようなことが起きているか見ていきます。

歩行周期

まずは「歩行」について解説していきます。

歩行を分析する際に用いられるのが表にもある歩行周期です。

歩行周期とは踵が地面についている状態から始まり、同側の踵が再び地面に接地するまでのことを言います。

表でいうと右足の踵がついた状態から次に右足の踵が地面に接地するとこまでのサイクルを指します。

この歩行周期を更に細かく紐解いていくと

・地面に足がついており身体を支えている期間を「立脚期」

・進行方向に向かって進むために地面が足が離れて振り出す期間を「遊脚期」

と大きく二つの期間で構成されています。

・立脚期

踵接地期:踵が地面に接地する状態。

立脚中期:足裏全体が地面についている状態で重心位置が一番高い所になる

立脚後期:踵が浮きつま先に体重が乗り蹴り出す状態。この蹴り出しの強さで、遊脚期のスイングが変わってくる。

・遊脚期

遊脚初期:足が地面から離れ始める、立脚後期で生み出された力で浮いた足が前方へと振り出される状態です。

遊脚中期〜遊脚後期:足が上半身の真下に位置し、そのまま足が身体の前に足が振り出され踵を地面につきにいく状態。

今までは立脚期における骨盤が地面に対して水平に制御・身体の安定性は中臀筋の筋活動が注目されていました。

その為、中臀筋の機能不全や筋力低下は変形性股関節症の進行・スポーツのパフォーマンス低下・異常な歩行を引き起こす大きな要因と言われていました。

そして近年ワイヤー電極による運動中の筋活動の状態更には深層の筋活動の研究が可能となりました。

ワイヤー電極の研究では中臀筋・小臀筋の二つを被検筋として行われました。

中臀筋と小臀筋ともに

遊脚期の後期から立脚期の踵接地直後そして初期にかけて筋活動の上昇し、その後徐々に低下していく。

ここで一番注目するべき点は中臀筋と小臀筋の筋活動の有意差です。

今まで中臀筋の活動により動作の安定が保たれていると思われていたが

中臀筋と小臀筋の筋活動の有意差はほとんどありませんでした。

つまりは小臀筋も中臀筋と同等に歩行の安定性に関わっているということになります。

まとめ

今回紹介した研究などはほんの一部であり、更にまた違った角度からの研究やデータが存在します。

今後まだまだ手段や精度が上がり違った結果も出てくるかもしれません、ただ現在の結果では

どれだけ小さな筋肉でも身体が動くうえで不必要な性質・組織はないということが言えます。

この記事ではあまり注目されていなかった小臀筋に焦点を当てましたが、また歩行という動きに絡め他の筋肉も紹介していきたいと考えています。

現在、院内ではこの小臀筋に対する刺激の入れ方・トレーニングも行っています。

また歩行に関する細かい記事も作成しようと考えていますが、直接気になることがあればいつでもご連絡ください。

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